パタゴニアには、単なる服を超えた「冒険の記憶」が染み付いています。
今回は、そんな視点からスポットを当ててみたいと思います。
「道具」としてのロングスリーブ
古着屋の店頭で、80年代〜90年代のパタゴニアのロングスリーブTシャツを手に取る際、私たちはその「肉厚なコットンのヘタリ」や「褪色したボディの色味」を愛でます。しかし、いざ自分が日常の道具として着るとなると、話は少し変わってきます。
この「レスポンシビリティー」のロングスリーブは、リサイクル素材特有のサラッとした着心地に加え、リブの強さとシルエットの安定感が秀逸です。フィッシング・ベストや、年代物のフィールドコートの下にレイヤードした時、この「安定感」こそが現代の古着ミックスにおいて最大の武器になります。
「古いもの」を知るからこそ分かる、今選ぶ理由
ヴィンテージ市場で古き良きパタゴニアのロングスリーブを探すのは楽しいものです。しかし、日常的にガシガシとアウトドアや街で着るには、やはり現行品の持つ「計算された機能性」が勝ります。
当時のものには当時の良さがありますが、このモデルはパタゴニアが長年培ってきたフィッシング・カルチャーをグラフィックとして落とし込みつつ、素材は現代の環境配慮型素材にアップデートしている。つまり、「文脈はクラシック、中身はハイテク」という、古着好きにとっては非常に贅沢な折衷案なのです。
特に袖口のリブ。これがあるだけで、ジャケットのインナーにした時の収まりが格段に良くなります。袖を捲った時のホールド感は、「道具としての正解」を感じさせてくれます。
スタイリングの解釈
インナーに、あえてこのキャスティング・ロゴを差し込むとヴィンテージの粗野なコットンと、現代のリサイクルポリエステル混の生地感が混ざり合うことで、スタイルに「厚み」が生まれます。
パタゴニアは「冒険のための服」、今このTシャツを着ることは、「現代の日常を冒険にするための服」を選ぶということ。
数十年後、このTシャツがヴィンテージとなった時、それがどんな表情をしているのか。そんな想像をさせてくれる一着です。あえて今、新品のパタゴニアを選ぶ。それは、良いものを作り続けてきたブランドへの、変わらぬリスペクトの証でもあります。
◼️詳細
パタゴニア Patagonia メンズ・ロングスリーブ・キャスティング・ロゴ・レスポンシビリティー SMDB M